本を読む本 M.J.アドラー/C.V.ドーレン

 読書習慣を身につける

熟練した技術を持つ人というのは、それぞれの技術のもつ規則どおりに仕事をする習慣を身につけている人たちである。技術者や芸術家が、その道に熟達していない人と違う点はここである。
 規則を守って仕事をする習慣を身につける道は実行以外にない。「習うより慣れろ」と言うではないか。いったん習慣を身につけてしまえば、流暢さと迅速さで前とは格段の差が出てくる。練習を積めば、同じことをしても初歩のときよりもずっとよくできるものだ。最初のうちはやることがおぼつかないが、そのうちに本能同然の自然さと完璧さでこなすことができるようになる。習慣は第二の天性であるという諺のとおりだ。
(略)
このような熟練あるいは技能こそ、ここで論じている技術なのである。

第一部 読書の意味

習い性となる、などと申します。時間つぶしになんとなく始めたが、読書は奥が深い。本としてまとまった物語に接すると、なんとなく考えていたことが浮かび上がってくる感じはしていたのだが、本そのものを読むのに技術はあるのですな。

アウトラインをつかむ

第三の規則は、第二の規則と密接に関連している。読者は本の主要な部分を順序よく関連づけて示さなければならない。全体の統一をしっかり把握すれば、全体を構成している主要部分はおのずと明らかになるわけだが、また部分がある程度わからなくては、全体を理解することはできない。
 それなら規則は一つでたりそうなものだ。二つにした理由の一つは、便宜のためである。複合的で統一性のある構造を把握するには、一段階でするよりも二段階に分けてするほうがやさしい。

第二部 分析読書-読書の第三レベル

第二の規則は、”その本全体の統一を、二、三行か、せいぜい数行の文にあらわしてみること”とあります。読書でも分解して考えるのは基本なのですね。部分と全体の関連が重要なことは、これまでの経験で理解できる。いくつか試してみて思うのは、見極めが重要だということ。あぁ最初に思ったのとは違うんだな、と分かったら最初に書いた文を直せばよいのではかいか、と。

シントピカル読書の実例-進歩の観念について

ほとんどの著者は、この言葉を人間の状態が改善されていく歴史的変化を示すのに使っている。改善とは、進歩という概念の本質である。
(略)
進歩がみられると、何人かの著者が述べている分野は六つある。この六つをすべて認めることができなくても、「改善」派であるからには、六つ全部を否定することは絶対にない。六つの分野とは、(一)知識の進歩、(二)科学技術の進歩、(三)経済的進歩、(四)政治的進歩、(五)道徳的進歩、(六)芸術における進歩である。

生きることと精神の成長

人間にだけ与えられたこのすぐれた精神も、筋肉と同じで、使わないと萎縮してしまうおそれがある。精神の鍛錬を怠ると、”精神萎縮”という代償が待っている。それは精神の死滅を意味する恐ろしい病である。多忙な生活を送っていた人が、引退すると急に衰えがくることが多いのもこのためである。仕事一筋に生きてきたが、それは外側から人為的に支えられていたのである。その支えがなくなると、自分の中に精神的な貯えのない人は思考することまったくやめ、やがて死がはじまる。
 われわれのまわりにあるテレビ、ラジオをはじめ、さまざまな娯楽や情報源も、すべて人為的な突っかい棒にすぎない。
(略)
 積極的な読書は、それ自体価値のあるものであり、それが仕事のうえの成功につながることもあるだろう。しかしそれだけのものではない。すぐれた読書とは、われわれを励まし、どこまでも成長させてくれるものなのである。

第四部 読書の最終目標

進歩って、科学技術のものだと思っていた。当たり前なんだけど知識も経済も進歩するのですな。ちょっと前から経済が気になっていたのは、あぁ、変わっているのだなというのを何となく感じていたからの様な気がする。

カタルシスですね。げんなりするような事があって、本でも読んで気持ち切り替えよ、と思うのは自然なことなんだな・・・

本を読む本 (講談社学術文庫)
講談社
J・モ-ティマ-・アドラ-
ユーザレビュー:
これぞ読書法の定番も ...
読了してないです、挫 ...
学生のときに見ておく ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック