年収300万円時代を生き抜く経済学/森永卓郎

●デフレへの対応を根本から間違えている
 第二次世界大戦後、物価下落と需要縮小が同時進行するデフレ経済に転落した国は一つもない。世界の中で日本だけがデフレに陥っているのだ。
 多くのエコノミストは「日本経済の不振の原因は構造改革が遅れているからだ」と主張をする。しかし、この主張はかなりおかしい。なぜなら、構造改革の定義は「資源の効率的配分を進めて、生産性を上げること」だからである。
 同じ労働力や資本の下で生産性を上昇させると、供給力は拡大していく。もちろん、長期的な経済成長のために供給力の拡大は不可欠なのだが、今の日本経済には30兆円から50兆円のGDP(国内総生産)ギャップが存在すると言われている。
 つまり、それだけのモノやサービスが余っているということだ。そんな状況のなかで、さらなる供給力の拡大を行えば、物価が下がっていくのは当然だ。
 デフレを止めようと思ったら、GDPギャップを解消する、すなわち需給を均衡させなければならない。
 単純に考えると、それには二つの方法がある。
 一つは需要を増やす方法で、もう一つは供給を減らす方法である。
 小渕内閣がやったのは、需要を増やす方法で、森内閣や小泉内閣がやろうとしたのが、供給を減らす方法だった。

1章 日本経済に起きた「最大の悲劇」

施策の話がありましたが、経済のモデルというのもありましたな。

需要供給モデルの説明があったか覚えていないが、二本の曲線の図を使って、デフレは起こらないと中学校の先生は言っていた。

●年収300万円は貧乏か

平成11年の「全国消費実態調査」による年間収入階級別耐久消費財の普及率である。
 この統計で、年収373万円の2人以上世帯の耐久財普及率は電子レンジ92.5%、冷蔵庫99.0%、洗濯機99.0%、エアコン78.2%、カラーテレビ99.1%、VTR71.2%、自動車73.5%となっている。
 年収373万円というのは、平均世帯年収761万円の半分以下だ。それでも、テレビも冷蔵庫も電子レンジも持っている。自動車だって4人に3人が持っている。これで生活が貧しいと果たして言えるのだろうか。

違いはありそうですが・・・物と数字で見るかぎり必要以上に悲観することはない、という気がしてくる。実際は発想の転換が必要な、大変なことだと思うけれど・・・

●「老後のための貯蓄」よりもすべきこと

 モデル年金の年額は286万円だ。前述した「全国消費実態調査」でも分かるように年収300万円でも十分健康で文化的な生活はできるのだ。
 要は、収入のレベルに合わせて、いかに生活をリストラできるかが問題なのであって、初めに消費レベルを固定して考える必要などないのである。
 老後生活のためにお金を準備する余裕があるのだったら、老後の生きがい作りのために投資したほうがよほどましだと思う。

4章 年収300万円時代の「豊かな」生き方

大切なものの順序を考えて、峻別していかないとなぁ・・・という感じですな。

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